メッセージコンクール第9回受賞作品

大賞 審査委員長賞

「ぷっくりちゃんへ」

ぼくは、「いのちのさく文」という本をよみました。ひとみさんという小学六年生の女の子が、足のガンになってしまい、びょう気とたたかうようすと、ひとみさんがかいたさく文がかいてありました。本があつくて、字も小さいし、よむのにとてもじ間がかかってしまいました。でも、ひとみさんががんばっているようすがすごかったので、ぜんぶよめてしまいました。
ひとみさんは、中学二年生のときにしんでしまいました。ぼくは、とてもくやしくて、かなしいきもちになりましたが、ひとみさんはもっとくやしかったとおもいます。
なぜかというと、大すきなうんどうやえをかくことができなくなってしまったからです。
ひとみさんは、とてもやさしいおねえさんでした。おなじびょういんに入いんしている小さな子たちに、大すきなえをかいてあげて、みんなにげん気をあげていました。
「ぼくもえをかくのがすきだけど、みんなにえをかいてあげられるかな?」とおもいました。
「なんで、ひとみさんみたいなやさしいきもちをもった人がガンになってしまったんだろう?なんでしんでしまったのだろう」と、とてもかなしいきもちになってしまいました。ぼくにもおねえちゃんがいます。もしぼくのおねえちゃんがひとみさんとおなじびょうきになってしまったら、いつもケンカばっかりしていたことと、いじわるをしてしまったことをかみさまにあやまって、びょうきをなおしてもらいたいとおもいました。
ひとみさんのさく文に「しめいがある。」とかいてありました。いみがわからなかったので、おかあさんにきいてみました。
「その人がやらなければいけないやくわり、その人だけしかできない ぷっくりちゃんっていう名前をつけたのは、ぼくだよ。どうして、そういう名前にしたかと言うと、ママのおなかが、少しぷっくりしていたからだよ。
はじめてパパからきいたとき、うれしかったよ。どうしてうれしかったかというと、ようちえんのときから、ママのおなかの下で、いつも、赤ちゃんが生まれますように、と、おねがいしていたからだよ。でも、はじめは、本当にいるのか、わからなくて、ママになんども聞いたよ。ママのおなかに手を当てたら、ぷっくりちゃんが、けってくれてきもちよかったよ。手がマッサージされているみたいだったよ。
ぷっくりちゃんが出てくるのは、十一月だね。出てきたら、だっこしてあげるね。大きくなったら、サッカーや色いろな、スポーツをいっしょにしようね。
しごとのことだよ。」とおしえてくれました。
ぼくしかできないことは、まだわかりません。でも、ときどきかんがえて、しんでしまったひとみさんのぶんまで、ぼくはがんばろうと思います。
ひとみさん、ぼくでもわかるさく文をありがとう。

さいたま市立大宮東小学校2年 大塚康生

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